父の認知症が悪化し、入院してから3ヶ月がたちました。母、妹家族と一緒に暮らしていた父ですが、今年に入り、常に「忙しい」と動き回り、殆ど眠らなくなり、その実何もやり遂げる事ができないまま、周囲を怒り散らし、特に中学生の孫をはたくようになり、このまま自宅で過ごす事は難しいだろうと、母、妹と相談し、認知症の専門病院にお願いすることになりました。入院後の診断名は、前頭側頭型認知症。
ケアマネシャーをしているが故、そのような診断がつくであろう事、入院までどのように進めていけば良いかは予測できスムーズな入院となり、母、妹には、「あんたがいなかったら、どうなっていたか」と言われました。しかしながら、母、妹家族を守るには入院という方法しかなかったと思う一方で、父にとって本当にこれで良かったのかと考えさせられます。家族にとっては、入院、入所したらそれで終わりではなく、良い職員さんに囲まれ心穏やかに、願わくば幸せに過ごして貰いたい、そんな切なる思いがあるんだな、と改めて思い知りました。
入院後の父の様子は、良くも悪くも変わらず(薬漬けになるのではとの心配もしましたが…)、各居室を「ヨシ!」と指さし点検して回ったり、「このおばあちゃん目ヤニがついているか拭いてあげて」と職員さんに指示したり、勝手に他の患者さんの車いすを押したり…。面会に行くと、「忙しい」と言ってきます…。誰も頼んでいない余計な事をするからや、と突っ込みたくなります。大暴れする事もあったそうで、かなりのご迷惑だろうに、職員さん達は、そんな父の事を「優しい方ですね」と仰ってくださいます。そんな職員さんこそ優しい、感謝の気持ちと、確かに人に喜んで貰える事が何よりの優しい父だったなと思い出され、涙が込み上げます。
担当医からの指示で、父の行動を制止する事なく、お薬も使いながら生活リズムを整える方向で対応してくださっているとの事。父が自宅に戻れる日は来るのだろうか…。今は父の好物を持って面会に行っては、とりとめのない話を聞いては帰ってくる日々です。 (み)